恋色語

「行ってもいいに決まってるじゃない!…じゃなくて行くの。行かなきゃいけない決まりなの!

もう…何があったか知らないけどさぁ…」


桜が再び舞い落ちる。風が吹き、私は肩くらいまである髪を抑えた。

そしてまた鞄を置いて…


「立ち止まってても何も始まらないよ。自分を変えられるのは自分だけ。

私はね、学校で世界が広がるって思ってる。もちろん自分次第で大きさは変わるんだけど。

でも…そのあんたの可能性を断つ者、断つ事があれば私が許さない」


こんな事よく朝から言えるなぁ…。けど評判は置いておき、行ったらいけない学校っていうのはありはしない。


「それでもまだ行くか悩むならここで立ち止まってればいい。永遠にね。ただ…」


一度目を閉じるとまた風が吹き、桜が舞った。私は髪を抑えたまま、片桐を優しく見つめて。

そして…手のひらを差しのべた。


「それが少しでも嫌って感じたら…一緒に学校行こっ」