その手を離さないで



「何で、そんなに驚くの?」



「驚くに決まってるだろ?オレと付き合っても、いい事なんかないじゃん」



「それって、今の状態の事言ってる?」



そう言うと、蒼ちゃんは黙り込んだ。



「あたしには、蒼ちゃんがケガしてようと関係ない。一緒に、頑張ろ?」


黙って頷く蒼ちゃんを見ながら、あたしはきっと、思い上がってたんだと思う。



蒼ちゃんの力になれるって…。