その手を離さないで



あたしは、蒼ちゃんの隣に座る。



「なあ、未来。オレ、優子と別れたんだ」


「えっ!?」



優子は、事故の日から、あたしをずっと避けている。



だから、二人が別れたって聞いて、驚いちゃった。



「バレてた、あいつには」



「何を?」



「オレが未来を好きって事」



蒼ちゃんは、真っ直ぐな目で、あたしを見つめた。