その手を離さないで



蒼ちゃんは、個室から相部屋に移った。


そこで待っていたのは、同じ様に事故に遭った、女の子だったんだよね。


大きな目のボーイッシュな子。



たぶん、同じ年だと思う。



「私にはね、ラブラブな彼氏がいるんだから」



彼氏!?



「えっ?本当?」



「本当、本当。リハビリもね、ずっと付き添ってくれたんだぁ」



「素敵…」



そっか…。


蒼ちゃんも、リハビリが必要だもんね。


あたしが側にいて、いいかな?