その手を離さないで



おばさんは優しいから、こんな時でも、あたしをかばうんだ…。



「でも、もし蒼ちゃんが目を覚まさなかったら…」



事故の瞬間、もろにバイクは、蒼ちゃんに当たった。


その弾みで、蒼ちゃんは飛ばされたんだけど…。


「大丈夫よ。あの子は、簡単には死なない」


おばさんは、優しく笑う。



「あのね、未来ちゃん」


おばさんは、あたしの手を優しく握ると、椅子に座らせた。



「蒼ね、未来ちゃんに再会出来た事、すごく喜んでたの」



「蒼ちゃんが?」



「うん。あの子ね、小学生の時に引っ越してから、ずっと未来ちゃんの事、話してたのよ」