その手を離さないで



「ただい…」


気が重いまま玄関を開けると、見慣れた靴が目に入った。



「もしかして…」



階段を上り、自分の部屋のドアを開けると…、



「お帰り未来」



「やっぱり蒼ちゃん!何で!?」



「待ってたんだよ。あっ、お菓子もらったから」


お菓子って…。


子供じゃないんだからさ。



「違う!そんな事より優子は?デートのはずでしょ?」