その手を離さないで



そうよ。


メールくらい、悪い事じゃない。


そんな風に言い聞かせながら、あたしは家までの道を急いだ。



“信用できねえから”


貴志はそう言って、帰っちゃったけど…。



ごめんね。貴志。


あたし、まだ無理みたい。



貴志とのキスが。



そんな事より、蒼ちゃんとのやり取りの方が、楽しくて仕方ない。



そんなの…、やっぱりヒドイかな。