その手を離さないで



優子が教室を出たのを確認して、もう一度携帯を開く。



“今日、テスト。だりー”



“未来と同じ高校が良かったなぁ”



「何、言ってんのよ」



メールを読み返しながら、思わず笑っちゃいそう。



そして、これ。



“おやすみ”



これだけのシンプルなメールなのに、保護しちゃった。



蒼ちゃんからのメールが、こんなに嬉しいなんて。



「何、見てんの?」