いちばん、




「また、由梨イチャついてさあ。羨ましいなあ」


「彩は彼氏作らないから悪いんでしょ?可愛いのにさ」


「可愛くないし」


拓馬と付き合える自分は幸せだと思う。顔が整っていて身長が高い拓馬はモテる。


別に私は凄い可愛いわけでもないし。特別優しいわけでもない。凄く性格がいいわけでもない。


だから尚更そう思う。


「なんか今日合奏長かったね。もう07時10分だよ。由梨、拓馬と帰る約束してたよね??」


「そうなんだよね。拓馬校門の前で待ってくれてるはずだから早く行かないと」


「じゃあ、挨拶の時はいいよ。早く行きな??他の部員には言っとくからさ」


「本当!?彩ありがと」


私は校門に向かって走った。