「…好きなのに、まただ」


芳川由梨(よしかわゆり)
高校一年。もう恋愛なんてうんざりだと思った。


いつからだろう
いつも自分が二番だと気づいたのは。


-中学三年-

「由梨、今日一緒に帰れる?」


「帰れるよっ、じゃあ部活終わったら校門の前で待ってて?」

「わかった。じゃあ由梨部活頑張って」

「拓馬も頑張ってね」


私は吹奏楽部で、拓馬はバスケ部。運動部より吹奏楽部は終わるのが遅い。だから、拓馬には校門の前で待ってもらう。