「あ、あの、突然どうしたんですか……?」
 するとケイちゃんは私に、涙声でこう言った。


『今日、年賀状が届いたの、五月から……』


――?!


『クラスメイト、全員に、届いていた、みたいなの……そこに、必ず、こう記して、あるの。「隆志と、みいちゃんと、仲良くしてあげてね」……って……』


――!


 ……五月ちゃん、私の事なんてどうでもいいのに!
 私は五月ちゃんと隆志君に声を掛けられるまで、ずっと一人だったから、今からだって一人で大丈夫だったのに……!


 涙が溢れた。声にならない。
 いや――
 言葉にすら出来ない。


『あたし達、ずっと、元気な、五月ばっかり、見ていた。本当なら、あたし達も、気付いて、当たり前、だったのに……痩せていっている事とか、やつれている事とか、桜色の唇が、土気色になっていっている、事とか……お通夜の時……彼女の、死に顔を見て、初めて……気付いたなんて……』
 電話の向こうで、ケイちゃんは泣いていた。


 死は必ず訪れる、万人に公平な運命だ。でもその死ぬ時を人は選べない。
 突然振り下ろされる死神の鎌を、人は抗えない。