ただ、それだけだ。 「…優斗。優斗」 「ん?…何だ何だ、何だよミイ」 海渡を見送り、家に入るとミイが必死の形相で俺のシャツを握った。 震える唇が、訴える。 「――――"鍵=key="が、優斗から出てきた。 見つけたよ、"鍵=key="」 え、という声が洩れて。 どういう訳か手元が光っていた。蛍をかき集めたような、まばゆい光。 開いた。