水玉世界―相対する生死―


教師は血の気の引いた顔で、あわてて逃げて行った。あとは処理してくれるだろ。


短髪は、小さな体を跳び上がらせて俺の視界に入り込む。



「お前、すごいな!あいつヒイキ教師なんだぜ。追い返すなんて……あ!
 礼が先だな。ありがとう」



白い歯が見えた。短髪は俺の顔をじろりと見回すと、


「すっげえキレイな顔してるんだな」


などとつぶやいた。