【海渡‐SIDE】





「ちくしょう…!!」


瓦礫の上に手を重ね、あっさりと傷がつき、赤くなった。


それでも止まらない。


しかし、どれだけ傷を付けても、優斗の意志を負ったカンナに止められる。


「…なあ…俺、必死に祈ってんだよ…。何で、抵抗されてるんだよ…?」


シャンデリアの硝子が飛び散り、有りもしないはずの


夢想の光が反射する。


綺麗な光景に、悔しくてたまらなかった。


優斗、優斗、優斗


お願いだから、救わせてくれよ。


お母さんの二の舞なんて、絶対に嫌なんだよ――――…