水玉世界―相対する生死―


ちょうどその時、1番嫌いだった親戚が死んだ。


暴力の数も減った。


否、俺が殺したんだ。


『ひろと、勉強頑張るから。頑張るから、ねえお母さん』


お母さん。こっちを向いて。


どうして…どうしてたった1人の子供を見てくれないの。


お母さんなんか、お母さんなんか、死んじゃえ――――!!



『…うっ…うええぇえん…』



ああ、見えてきた。


俺が犯した過ち。 母さんは、悲しみに暮れながら俺をちゃんと愛していたこと。


俺は幼すぎて、何も見えなかったこと。