こぼれた、言葉と言葉の感情


「……俺だって、苦しかった…」


凶器であるナイフ。


本来ならそうであるナイフが、怖くなどなくなった。


手を添えると、赤い液体が流れた。


傷みより、痛みの方がよっぽどマシである。





「もう、終わろう。」





終止符を打つために、痛みは必要だったから。


全てを受け入れるために、傷みは当然だったから。







――――死ね。 ケイタ、優斗。