海渡を振り切り、振り切るも何もないんだが、とにかく走った。 当然、ケイタも追って来る。 それを分かっていたから。 「うっ…ああぁぁっ!」 後頭部に打撃が走る。痛みより先に、無重力に頭が吹っ飛んだ。 訂正、体ごと前方に滑り飛んだ。 「…いったたたた…」 後頭部からのケイタの攻撃、埃っぽい床からの攻撃。 視界と脳が揺れた。 めちゃくちゃ気持ち悪さが込み上げてきたが抑えた。