水玉世界―相対する生死―


「…思い出したよ、お兄ちゃん。 能力のこと、家族のこと、…死んだ時のこと」


再びケイタに力が入った。


過去を思い出し、感情を押し止めるための握力。


「ケイタ、お前に命綱は無くなった」


「……ひろと…?」


俺の、人を生かす能力。だが俺はそれを全身全霊で優斗に祈っている。


ケイタを守っている人間って――――



「カンナはもう、お前を救わない。海渡を救うんだ」



…カンナ。


カンナが、俺を。俺が、優斗を。


優斗は、ケイタを、殺す。