水玉世界―相対する生死―


「ヒロトなんて人間、存在しないんだよ。用も済んだし、散々な思いしたろ?」


に、と笑んでくる。


確かに――――散々だった。だから死んだ。


差別もイジメもされたし、ベランダから突き落とされそうになった事もあった。


けれどそれは、幸せに変わったんだ。


俺がそこに存在する、理由となったんだよ。


「……確かに、そうだったけど。作られた物だとしても、今俺は気持ちを持ってるし、俺を誇りに想ってる」