電車は何事もなく通過して行った。 俺は背中を打ち付けながらも無傷で、必死に息切れを繰り返していた。 「…かっ…はぁ、は…海渡…ありがとう…」 「俺の能力だと、死は逃れられるけど怪我するからな。乱暴な方を選ばせてもらった」 構わない。 全然構わない、海渡。ありがとう、本当にありがとう。 「…お前が、ミイちゃんの話を聞いて飛び出したこと聞いて…分かったんだ。 ミイちゃんと、男の繋がりも全て」