足を、踏み出した。 電車の通過する、線路中心で立ち止まる。 気持ちは何ともなかった。 なのに、涙と嗚咽が繰り返し出る。 分からない… もう全てが、分からない。 電車が俺を殺しに、近づいて来る。 俺は動けず、ただ目を閉じ―――― 「優斗ッっ!!!!」 あ… 海渡。 ――――ダンッ… 迷いもなく、必死な形相で海渡は俺の体をその場から引っぺがした。