水玉世界―相対する生死―


「だからお兄ちゃんは…泣きながら、謝りながら…」



私を殺した



たまらず、ミイを抱きしめる


ミイは痣の残った腕で、俺の背中に弱々しく手を伸ばした。


『ごめんな』と。


『俺を憎め』と。


兄は、包丁を振り下ろした。


『死ね』と、愛する妹に念じることは出来なかったから。


自らの手で消し、


きっと兄はそのあと…


「私は初めて死んだ能力者として、水玉世界の案内人になった」