水玉世界―相対する生死―


ミイ、お前はどんな生前を生きていたんだ?


「…ミイ、…」


ミイの瞳から流れ落ちた、一筋の雫。


俺の指に伝った。


衝撃、だった。



「…おにいちゃん……」



え…?


ミイの紅い唇から紡がれる言葉に、俺は暫く身動きがとれなかった。



ミイは生前、冷たい家庭に産まれた恵まれない少女だった。


日々虐待にあう中、ミイはそれでも生きていた。


その支えとなっていたのが、兄だったのだ。