「お前の意外な才能発見~」 「失敬な。俺は書道生命なんだよ」 「初耳~」とブーイングが上がる。笑いの輪だった。 俺はいつも、そんな人間を羨むばかりで。 ずっと、諦めていた。 「優斗は絵が上手いぞ!」 輪の中から、呼ばれること。 「そうなんだ?優斗、じゃあこれ描いてくれよ」 誰かに、頼られること。