一体何やってるんだ…? とか疑問を発しながら、1人で人だかりを集める海渡を神だとか思った。 「いくぞ~」 筆が、看板の白ペンキの上に降ろされる。 大丈夫なのか、海渡は。 「………おおぉお!」 予想外にも、人だかりは歓声を上げた。 誰も文句は言わない。 海渡は、誰よりも優しく、中心で、温かい。 文句など、出てこない。