「おい」 「ほらボール」 「なんだよ」 「さっさとやれ」 「おいってば!」 何なんだよ!! ――――タン、タン…キュ。 靴の音が響く体育館を走りながら、俺は叫びたい気持ちになった。 「だから、今のはシュートだろ。何でパスしたんだよ」 「何だって良いだろ。たかが体育だろうが」 なぜかしら、蓮が言ってくる。 否、言い掛かりをつけてくる。 「あっ!ちゃんと周り見ろバカ!」 「ばっ…バカ!?」