「――――はーい、席についてー。」 教師が入って来た。同時にチャイム。 俺は海渡に目を合わせないまま、席についた。 紙切れが飛んでくる。 海渡だった。 『俺は何としても説得する』 表情も変えずに、斜め前の蓮の頭に投げつける。 ストライク、背後から「!?」という海渡のかすれた声。 蓮は周りを見渡し、迷惑そうな顔で紙を開いた。 「…ふん。」 撃沈。海渡が拗ねたのが分かる。