水玉世界―相対する生死―


「ミイ」


俺は、ミイの頭の上に手を置いた。


ミイが読めない瞳で見上げてくる。


「…ミイは、幸せか?」


ミイは何を望むのか。


俺は何を感じてほしいのか。


「………たぶん。これは、幸せ?」


笑う。


そうだよな。分からないよな。俺も――――



愛することが、分からなかったよ。



「優斗や海渡が…幸せなら」


ありがとう。


海渡や芽惟――――ミイにも、ありがとう。


「…ありがとうな」