水玉世界―相対する生死―


「私は、愛されていなかった。」


…え


「生前は父親しかいなかった。それも、虐待ばかりだった」


やっぱり、ミイの痣は生前のだったのか。


「…でも私は、独りではなかった。温かい"何か"があった。…それだけ」


カタ、と床を踏み締めてミイは立ち上がる。


きっと混乱してるはずだ。


抜け落ちた、記憶のピース。


ミイは、それを集めたいと思うのだろうか。


例え、つらい過去だとしても。