水玉世界―相対する生死―


「…俺、芽惟が居て良かった。」


「……?」


芽惟が不思議そうに、不吉そうに俺を見る。


だが俺は、言葉を止めない。


伝えなきゃ、伝わらない。一生。


上手く、伝えられない


何て言うんだろ?


そうだ…この感情を、言葉にするのなら――――



「好きだ。芽惟」



温かくて、心地好くて、止まらない。


薄すらと芽生えていた、ずっと封じ込んでいた、愛情。


俺は初めて人を愛した。