水玉世界―相対する生死―


"鍵=key="はミイの胸元で光ると、吸い込まれるように光を失い、同時に消えた。


「あと1つで、水玉世界は…」


ああ、そうだ。


ミイは一人きりで、水玉世界にずっといた。


きっとあの世界は人の魂。


死ぬと消えてなくなると言うが、きっとその人間の想いは消えない。


水玉世界に滴る、音だけ聞こえる水滴となるのだ。


ミイはずっと、その想いに触れてきたに違いない。



自分も消えてしまう、ではなく水玉世界が消えてしまう、と考えるミイが、健気に見えた。