水玉世界―相対する生死―


またいきなり、現実に引き戻される。


そこにあったのは、男の顔だった。


〈見えたかい?〉


…と言うことは、見せたのか。こいつ…


〈良いことを教えてやるよ。
 相手の心近くに行くと、そいつの記憶が見えるのさ〉


付け加えるように、


〈俺はお前の心に行ってない。お前が俺に来たんだ〉


と笑った。


男は俺から離れ、笑みを消して俺の腹部に殴りを入れた。


「あがっ…!」


「優斗!!」