「なぁ、君…」 声をかけようとして、ハッと少女が顔を上げた。 真っ暗な闇の中、少女の姿が白く浮かび上がる。 顔にも、痛々しい傷がある。 だがそれ以前に、その顔に見覚えがあった。 「誰、だ…?」 俺は知ってる。 無機質なこの瞳を。 「――――ちゃん…」 この、電波的な声質の、音の在りかを。 「うわっあぁ!!」