「…俺は母から目を逸らすようになった。そしたらいつの間にか、死んでたよ」 力無く海渡はうなだれた。 「今の母親、叔母の娘なんだ。幸せに死んだ叔母の代わりとして、絶対に死なせないつもりだ」 海渡は刹那に燃えていた。 きっと、今の海渡の母親は追い詰められ、気を病んでいるのだろう。 そして海渡は、その母親を苦しめつづけるため生かせているのだ。