水玉世界―相対する生死―


「優斗は抱え込み過ぎなんだよ。能力なら俺だって持ってるんだ、何だって聞く」


でも…海渡の能力に、害はないだろ?


「……あるさ。長くなるが、聞くか?」


「ああ。…知りたい」


海渡の過去の傷み。俺は聞いてやることなら、出来るのだ。



――――海渡は小さい頃、温かい家庭に産まれた。


優しい母に活発な父。


まさに誰もが羨む、幸せな家庭だったのだ。



しかしそれは、父の借金から崩壊する。