「…あ」 いつの間にか、電車の通る場所に来ていた。 案の定、海渡が立っている。 「あ、優斗」 海渡も気づいた。気まずそうに顔を俯かせる。 俺は海渡の隣で、座った。 海渡は怒ったように表情を尖らせ、だが焦っていることがバレバレである。 「…ごめん。ちゃんとお前に話すべきだな」 「………当たり前だ」 少し笑いが出る。海渡も尖らせた表情を、期待の表情に変えた。