「あ、あの…海渡の同級生なんですけど、海渡は居ますか?」 見ていて気づいた。女性と海渡が、全然似てないことに。 「海渡なら知らないわ。あいつここに居たがらないもの」 「……そうですか。ところで、貴女は?」 女性は顔をしかめる。それでも俺は引かなかった。 「…海渡の母親。ただし赤の他人よ」 「あっ」 ――――バタン。 閉められた。海渡は、どこへ行ったんだろう。