「キャーこれペケ○ンじゃん!

録画してあるとかラッキーすぎるんだけど~!!」


もう、この広い部屋にあるテレビとなじんでいた。


いや、テレビの番組が録画してあったからだ…。


あたしが好きなお笑い芸人が出ている番組、

全てムラなく録画されていた。


全部見てやろうと、

さっきから必死になって番組を古い順から見ていく。


普通に笑ったり、普通に大声出したり。


もう、ここを自分の家のように思っていた。


「うっせぇんだけど」

「え、あ゛…」


それが悪かったのか、

不機嫌な顔をしてドアに寄りかかる日比野さんが見えた。


冷静にテレビを消し、ソファーの上で正座し謝る。


日比野さんはそれを無視して、こっちに向かってきた。


「おい居候…じゃなくて、

幸奈だっけ?

お前隣の部屋の俺の迷惑考えろよ」

「あ、すいません…

ついテレビ録画されてあるものにハマっちゃって…」


ペコペコ謝りながら、日比野さんにずっと頭を下げていた。


だけどずっと「やだ」と連呼する。


子供っぽい言い方だなぁ、おい。


ちょっと笑えてくる。