へぇ、と珍しそうに見られるのもまた恥ずかしく、

さらに顔を見せられなくなる。


無理……チュー以上本当は出来ない……。


変な事言っちゃったなと後悔してると、

いきなり手首を掴まれ、顔を見られた。


「キス、してみる?」

「っ……」


ニヤッ、とあやしく笑い、

顔を近づけてきた。


待って待って、待って~!!


「ばっかじゃねぇの?」

「いった!?」


すごい暴言とデコピンが飛んできた。


おでこをさすりながら、日比野さんを見る。


うわ…顔が笑いまくってる!!


かぁっと恥ずかしくなり、顔を手で隠した。


「けど、お前俺の婚約者なんだから、

それくらいはしてもらうかんな?」


ニヤリ、とまたあやしく笑い、

あたしを見下すように上から見てくる。


あぁ、こんな時ヤケ酒したくなるんだなぁ。


まだ高校生なのに、ヤケ酒なんて考えていた。



日比野さんは、悪魔のようだ。