黒髪が綺麗に整ってて、

目は細すぎず大きすぎず、

けど少しまつげが長くて、


芸能人って言っても過言じゃないほど、整った顔だった。


ちょっと可愛らしい顔にまたキュンとする。


すごい、カッコいい人すぎる。


あたしは婚約者の人に釘付けだった。


「……なんだっけ、あんたの名前」

「あ、高林幸奈です」

「あぁ、そう幸奈だ。

言っておくけどあんたさぁ」


結局あんたなら、名前聞かなくてもよかったじゃんか。


ちょっと一人ツッコむ。


婚約者は、…日比野さんはあたしの耳元に近づいた。


吐息が耳にかかり、思わず服の裾を掴む。


「キチンと出来んの?」

「何がですか」

「キス」

「……出来ますよ、それくらい」


初めて喋ってくれたと思ったら、

チューの話し!?


唐突すぎる、なぜその話なんだ!?


日比野さんから離れ、顔を隠した。


駄目だ…赤面になる…。


恥ずかしくて顔を見せられなかった。


「それ以上は?」

「……多分、です」


なんだ、そのギリギリな話は~!?