シンデレラの掟



周りに飾ってある絵や、

高そうな家具とかを見ながらリビングに向かう。


すると、大きすぎるソファーに、

誰かが座ってテレビを見ているのが見えた。


あれかが…婚約者?


顔がいまいち見えないから、見える位置まで移動をする。


え、見てるテレビ番組昨日のしゃべ○り007じゃないか!


お金持ちがそう言うのを見るんだぁ…へぇ~。


「誰だよ、不法侵入なヤツ」

「!? あ、あの…高林って言うんですけど…」


いきなり、こっちを見ずに婚約者(仮)が喋った。


突然すぎて思わず名前を名乗る。


うわ…警察に訴えられたらどうすんの!?


訴えられるはずもないのに、

緊張しすぎて頭が混乱した。


「あぁ、俺の婚約者」


冷静にそういってくれたお陰で、少し安心した。


胸を撫で下ろし、ため息をつく。


「なぁ」

「は、はい」


テレビを見ていた婚約者の人は、

ソファーから降り、あたしのほうに向かってきた。



うわ……顔、超綺麗……。



思わず見とれるほど綺麗な顔に、あたしの胸が鳴った。