あたし、ただ優斗と仲いいだけなのに。

まあ、優斗がモテるのは昔からだからこんな陰口慣れてるけどね。


ふーっ、と軽くため息をついたら突然頭をコツン、とされた。

「おはよ。朝からなーにため息ついてんのよ」

「あ、マナカ」


さっき頭を小突いたのは伊藤真奈香(イトウマナカ)あたしの親友。

そして、あたしが優斗のことが好きなのを唯一知っている人。

「あ~、あれね。また女子共が文句ブーブー言ってんでしょ」

あと、空気を読むのとカンが鋭いさっぱりしている、フツー(?)の子。

「文句言うくらいなら長澤に早く告れっての。私、ちょっと言ってくる」

「マ、マナカ…」


マナカはズバズバ物事を言って、グングン突き進む。

だから、マナカの事が嫌いな人と好きな人ではハッキリわれる。

そんなことを考えていたら、マナカがあたしの隣に立っていた。

「早いね。今日はなに言ってきたの?」

「え?陰口言うくらいなら告ればいいじゃんって。あと、そんな事言ってると長澤に嫌われるよって行ってきたけど」

あは…。

どおりで女子が怯えた目でこっち見てるんだね……。