ママに引きずられるようにして店内に入る。

それでもセレブそうな人達をどんどんすり抜けて一番奥のドアの前に来た。


そこには、「VIP ROOM」と書かれていて。





まさに、運命が変わる瞬間だった。



「史也さん?入りますね」


ママが今までに聞いたことのないぐらい静かな声で部屋の中に呼びかけると同時に、部屋のドアを開いた。


嗚呼、緊張する。


あたしの新しい父が。

あたしの新しい兄が。


この部屋の中にいる。