内装は黒、黒、黒。

その中に少しずつ見える、金。

まさに、お忍びのセレブや芸能人が入るような所だ。


ヤバい、確実にヤバい。


これは学生が来るような所じゃない!

今すぐこのビルから出てママに電話しよう。

早く帰ろう。


そして、エレベーターに向き直った時だった。


「あら、愛華。ちょっと遅かったわね」


ああ、もう後戻りはできない。

エレベーターの方からレストランの入り口の方に向き直った。

やっぱり、彼女は馬鹿だ。

いくら高2だからと言っても、子供心を全く分かっていない。


「もう、お相手の方来てるわよ?さぁ行きましょう」

「ちょ、ママ!」