「・・・・何ココ」


この建物を見て、始めて出た言葉がこれだった。

あたしは比較的都会に住んでいる。

その中でも繁華街の中心に立つ高層ビル。

地図にメモ書きで『最上階』と書かれていることから、相当高級なレストランだとは思っていたが。

ビルに足を踏み入れると、何か場違いなような気がした。

サラリーマンやらOLさんやらセレブそうな人が溢れている。

そんなところにチャラチャラした女子高生が入って来てよかったのだろうか。

しかも制服なのだ。こんなことならブレザーを上に羽織ってこればよかった。


比較的人の少ないエレベーターにささっと乗り込むと、身を小さくした。

こんな姿でこんな高級そうなエレベーターに乗るなんて顔から火が出るほど恥ずかしい。


だが、だいたいの人たちはすぐエレベーターから降りて行ってしまい、終いには最上階に行くのはあたしだけとなった。