あたし、なんで。 なんで来ちゃったんだろう。 なんで出会ってしまったの? 運命の神様なんて、意地悪だ。 「和兄ちゃん……」 その隣、この子誰?という顔をした女性が腕を絡めてる。 「あ、いや……」 そんなに焦らなくたって。 あは。 分かってたのに。 彼女くらい、いるよね。 でも。 だったらどうして…… 「おい、みくっ」 あたしは走っていた。 逃げ出した。 もう、頭ん中がいっぱいだよ。 もう……