精霊のいる森で。

「今でも、普通の…?」


「えぇ、そうよ。
違う?」


「いや、その…
村にいる人たちは、みんな優しいけど、どこか優しくないんだ。
だけど...
君は心から、優しいだろ?」


少女は戸惑った。


そうなのか、自分にも分からなかった。


自分は優しいのか?


さっき、少年の言葉に訳もなくむかついたりして?


…本当に?


「…そう見えるだけじゃなくて?」


「違うよ。
君は、僕の病を治してくれた。
君に、こんな酷い跡をつけてしまったのに、君は怒らなかっただろう?
僕を責めなかっただろう?」