少女はいつものように少年を、森の入口で待っていた。


今日も来るだろうか?


きっと、こんな大雪の日には来ないだろうな…


彼女はそう思っていながらも、待っていた。


ただ、会いたくて。


空は灰色、地面は純白。


森も白に染まっていた。


少女はそんな景色を、たった一枚のワンピース姿で、見ていた。


彼女は、この森に来てから、寒さも暑さも、感じなくなっていた。


彼女は、もう人ではなくなっていた。


それは、彼女自身も気付いていた。