精霊のいる森で。

少女はもう一度あの少年が来てくれないかと、思っていた。


どうせ来ないだろうと思っていた反面、
来て欲しいと期待していたのだ。


だが少年はやはりやって来ない。


少女は1人虚しく悲しんだ。






春になった。


少年は病が少しずつ治りつつあった。


だが完治は見込めないと、医師に言われていた。


少年は一生、重い咳の病気にかかりっぱなしとのこと。


家族は悲しんだ。