精霊のいる森で。

少年はその村にいた老人たちのように、
長い間苦しんだ。


少年は働き過ぎて体力が減っていた。


だからその村の若い人たちのような早い回復はなかった。


少年はずっと、高熱と止まらない咳に苦しんだ。


生と死の狭間を、行き交った。


朦朧とした意識の中、思い出すのはあの少女のこと。


少年は会いたい、と思った。


今すぐにでも。


そう思いながら、病と戦った。






凍える寒さの中、少女は相変わらず1人で暮らしていた。


話し相手は森の生き物。